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RTLV

高速化改修

  1990年代になりアメリカ東海岸の人口密集地対に高速鉄道を運転しようとする機運が再び高まり、電化区間は今のAcela Expressへと発展しました。非電化区間についても検討が始まりましたが、フランスからライセンス生産で導入していたターボライナーRTLが使われていたものの、かなり老朽化し、設計自体が1970年初頭であり性能的にも問題が生じていました。

そこで1994年、Amtrakはこの車両の全面改修を計画、エンジンはより高出力で高効率のものに換装することとなりTurbomecaと契約しました。

 元々この車両は160km/h運転用に1085馬力のTurmoVが搭載されていました。オイルショックなどから徐々により効率がよく高出力のものに置き換えられていましたが、最終的に1600馬力のMakila T1に換装されRTLUとなったのです。効率もこの30年間での高効率化が反映され、軽量のヘリコプター用エンジンでありながら初期型の20%から29%と大幅に向上しています。その後、2000年には外装、客室内装ともに改良されたRTLUが完成、2M3T編成で定員264名、空車重量308トンとなりました。種車が古いとはいえ高速列車としてはかなり重いようですが、アメリカには踏切での衝突事故に備えて厳しい強度基準があり、衝撃吸収のための補強が必要で、さらに後述の電気装置も加わるためです。こうしてこの車両を用いて線路と信号改良が済んだ時点で200km/hでの営業が予定されたのです。1995年には線路改良が済んだ区間で200km/h運転が実施され、各種性能試験が繰り返されました。

約80%の出力で200km/hでの巡航が可能で、より低速での巡航では後部動力車のエンジンをカットでき、160km/hで20%の燃料消費量低減が確認されました。変速機はVoithの2速のロックアップ付液体変速機が使用されていますが、出力向上に伴い強化されました。ガスタービンからは動力車の片方の台車のみ駆動されています。ニューヨークのPenn Stationへは内燃車両の進入ができないため、もう一方の台車に500馬力と小出力ながら電動機が搭載され、第三軌条からの集電で電気運転が可能となっています。
 電気式のほうが有利ではないかという意見に対しTurbomeca側は、「加速性能は電気式が有効かもしれないが、高速巡航には直結駆動の98%という高効率動力伝達が有効で、電気式の90%という伝達効率ではこの性能は達成できない。機械式は曲線の少ない高速運転列車に有利で、電気式は曲線や速度制限、停車回数の多い列車に有利」と説明しています。

計画の頓挫

 このプロジェクトには多くの紆余曲折がありました。改良工事を請け負った車両会社が資金難に見舞われ、さらにアスベスト処理が問題となり改良工事の費用は膨らむ一方で遅れに遅れました。2003年になってやっと3編成の改装が完了し営業運転に入りましたが線路と信号の高速化改造は財源不足などからまったく進展しませんでした。そして空調関係の故障をきっかけにこれらRTLVは工場入りしたまま引退したのです。補助金を出している連邦鉄道局などは契約違反と批判しているもののその後も進展は無く、高速化計画は頓挫したままとなっています。

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