|
キハ391改-電気式 |
電気式への改造 キハ391の試験終了後、電気式への改造案も検討されたようです。クモハ591を種車にするようなことすら検討されたようですが具体化はしませんでした。391クラスの電気式ガスタービン動車を作ったらどうなるか試してみましょう。 列車の諸元は次のようになります。 前項の2車両と今回の車両の3者の引張力曲線の比較です。赤色が標準設定105%回転数、黄色が150%設定、そして緑色が電気式ガスタービン動車のものです。電気式がその特性を発揮して低速で高い引張力を発揮しています。電動機の許容電流の制限で30km/h以下は一定値となっています。。 低速での引張力の差は加速力の差として現れ、下の図のように低速で加速力が大きく向上し、40‰以上の勾配均衡速度は圧勝ですが伯備線で特急車両がこの速度域の性能を活かす場面は駅発車時と通過駅でのポイント制限を抜けて加速する場面に限られます。 動輪周出力でも電気式と機械式の特性差はあきらかです。30km/h以上では電気式は一定出力を速度に無関係に発揮しています。 伯備線でのシミュレーション結果です。曲線通過速度本則としたものです。左から150%回転の列車、105%の列車、最後の列が電気式のデータです。 燃料消費はどうでしょうか。 では次に391で行われた曲線通過速度向上の影響を見ます。本則+20km/hのシミュレーション結果です。 燃料消費が次の表です。 走行状況を見てみましょう。低速引張力の強化は上り勾配での加速に効いてきます。 不利になる高速域ではどうでしょうか。次は山陰側に出た軽い下り区間ですが、岸本駅通過後130km/hまでの加速です。 このように性能面ではオリジナルのキハ391に比べて電気式のほうが改善しそうです。電気式はガスタービンを常に適正速度で運転できるためフルノッチ起動時の極端な高騒音の問題は解消します。また、キハ391で採用した中バリ方式という特殊な車体構造が不要で、すでに実用化段階にあった振り子電車の車体や駆動系をそのまま流用可能という利点もありました。 |