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電源車方式

 

非電化区間直通

 国 鉄時代、まだ非電化区間が多く,直通列車には電化区間を長距離走るディーゼル列車がみられ、これの代替として電車に電源車を併結して非電化区間へ乗り入れ る案が検討されました。 電車は従来のものに最小限の改良を行い新製は電源車のみとすることで経費を削減しようとし たのです。 よくある、都会のお古を田 舎へ回すというあの作戦の発展形です。 非電化区間はローカル線となるため大出力の列車を必要とはしません。 電源エンジンとしてはDMP86Z、 DMP81Zなどが検討されましたが出力が2000馬力程度で電源車軸重が15トン以上となり下級線に入線できない 割に短編成、小出力の電車にしか対応で きないという問題があったようです。 海外を含め、この方式を採用した本格的な営業列車はまだ無いようです。 dual mode vehicle と称して架線給電可能な電気式ディーゼル車両は最近でも登場していますが電源車方式といえるものではありません。

最先端の電源車ではどうなるか?

  ガスタービンなら電源車方式でも出力的には問題なく、商用周波数のものならトラックやトレーラーでは移動用発電機車として既に実績があります。 今回は先 端技術で設計した電源車という想定でやってみましょう。 ガスタービンは熱交換器付きの高速発電機駆動方式、ディー ゼルも高効率直噴で併結する電車は共通 のVVVF制御電車とします。

電源エンジン出力は前項に合わせて2320kW、併結電車は3M3Tとします。 下の図が加速力曲線で、黄色がガ スタービン電源車方式、赤がディーゼル、緑は前出の機械式4速編成です。

1 両付随車が増えるわけでさすがに機械式には及びませんがよく走っています。 183系電車の4M2Tよりややよいくらいの走りを示します。 183系 4M2Tと古い例えですが侮ってはいけません。 短時間なら25‰を105km/h以上で登りますので現在の特急電 車と比べてもそれほど走りに遜色はあり ません。 ディーゼルでは電源車の重量がガスタービン方式より29トン近く重くなるためガスタービンより加速が悪くなりますが。 わずか1800RPM程 度でしか回せないディーゼル発電方式ですが、DF200に迫る電源セットをこの重量差で実現できるか微妙ですが変更 できないのでこまま使います。

運転時分が次の表です。 1番がガスタービン電源車方式、2番がディーゼル電源車方式、3番が4速機械式ガスター ビン動車です。

運転時分差は電源車方式では1分ほど、まずまずです。 燃料消費は以下のようになります。

  運転時分 燃料消費(kg)
ガスタービン電源車 5:32:40 818.45
ディーゼル電源車 5:33:46 747.84
機械式4段変速 5:29:47 756.23

ガ スタービン電源とディーゼル電源で燃料消費量は70kgほどの差に縮まっています。 先端技術設定でもガスタービンの最大熱効率が37.5%、ディーゼル が42.2%と依然5%近くディーゼルが優れていまますが、電源車の軽量性が大きく影響し、さらに前項の効率分布図 で見たようにガスタービンは最大出力で 最大効率なのに対しディーゼルでは8割あたりの部分負荷で最大効率を発揮する関係上、フルノッチ力行が主体の鉄道ではディーゼルは最大効率領域をうまく利 用できずやや不利な側面を持ちます。 電気式ではこの点を考慮してエンジンが設計されますがあまり燃費を意識すると 軽量性に問題が出てきます。 ちなみに 液体式ディーゼル動車で直結段4段変速で同様のシミュレーションをすると、運転時分が5:31:52、燃料消費が761.52kgと電源車方式より速達可 能ですが、なんと機械式ガスタービンに燃費で負けています。 編成重量で40トンの差をつけられた結果のようです。  さらにノッチマンミニでの設定が ディーゼルを高回転まで回してシフトアップする設定になっているのかもしれません。 その場合、加速は良くなりますが燃費はやや不利に出るでしょう。

平坦線ではどうなるか?

もっと線路条件の良い路線ではどうなるでしょうか。 カーブも緩く、ポイント制限も80km/hから100km /hほど、最高速度まで加速、巡航可能な線路改良された亜幹線といった設定です。 途中5駅に停車の運転設定です。
運転曲線の一部が次の図です。 力行線の色別に、緑が機械式ガスタービン、暗赤がガスタービン電源車方式、藍が ディーゼル電源車方式、黒が4速液体式ディーゼルです。

4速機械式ガスタービン動車の加速の良さが光ります。 

運転時分が次の表です。 

4 速液体式ディーゼルは変速機の威力で起動加速力や低速域で稼いでおり、変速機を持たない普通の電車と同じ加速特性のガスタービン電源車方式と比べ僅差で 勝っていま す。 しかし常用域では直結機械式変速となり、列車重量あたりの動輪周出力はほぼ同じにもかかわらずディーゼルのフラットトルク特性が裏目に出て負けてし まいます。 

次の表は燃料消費量の比較です。


運転時分 燃料消費 (kg)
ディーゼル4段変速 4:08:13 776.19
ガスタービン4段変速 4:05:55 749.05
ディーゼル電源車 4:09:38 758.00
ガスタービン電源車 4:08:20 804.31

こ れを見ると現在の再生式ガスタービンの効率を持ってすれば電源車方式で電車の非電化区間直通も性能的には荒唐無稽な話では無さそうです。 ただ、このクラ スの性 能を持つ量産ガスタービンが存在しないのが致命的です。 次期主力戦車動力として期待されていたLV100を2基使用すればこのシミュレーションとほぼ同 じ性能を持つ非常に小型な電源車ができますが米軍での採用すら未定、AGT1500のよう に市販される目処はありません。 国産ではスー パーマリンガスタービンなどはこのクラスの用途に持って来いですがこれも頓挫したままです。

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