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電気式ガスタービン飛行機 |
ターボファン 航空機電動化の波は大型定置用あるいは非常用発電以外注目度が低くなっていたガスタービンに再び注目を集める可能性を秘めています。電気で飛ぶには電池か発電機がいるわけで、軽量性命の航空業界ではALPSプロジェクトで紹介した高速発電機直結ガスタービン駆動が再び注目されようとしています。 E-THRUSTそこで生まれたのがこのアイディアです。 機体には高速発電機をガスタービンに直結した軽量発電システムを搭載、翼や胴体に小型の電動ファンを多数配置し飛行抵抗を下げて推進効率を挙げるのです。電動ファンならメインテナンスも容易で電動機は小型でも高効率を維持します。 そして将来のバッテリーの高性能化を見越し、ロールスロイス、エアバス、シーメンスの3社は共同で”電気式ガスタービンハイブリッド飛行機”のテストを2020年に行う予定です。これはガスタービン発電機、バッテリー、電動ファンの基礎的なデータを取るのが目的で、下の図のように中型ジェット旅客機の4発のターボファンのうち1つを電動ファンに置き換え、飛行試験を行う予定です。 2000kWのガスタービン発電機で2000kWの電動機が駆動される構成で、バッテリー出力も同等になっています。ガスタービンはAE
2100でC130輸送機に搭載されるもので、本来は連続定格5000馬力近い出力があるものです。より高出力の発電機駆動を見越しての選定か、離陸時の短時間高負荷のために電動機と発電機の過負荷耐性を生かして過負荷運転するためのガスタービン出力かもしれません。 電気式ガスタービンヘリ 一方でより小型の分野でも開発が進んでいます。空飛ぶ車と言う用語がよく使われるようになり、まさに今の電動ドローンを車並みに大きくして人を運べるようにしたシステムが多数のベンチャー企業を中心に開発されています。車の延長ですのでハイブリッドの場合はガソリンエンジンとなります。ガスタービンを使う場合はこれより少し大きな機体で長距離飛行する領域となります。 これらの技術が普及し低価格化した場合、ジェットトレイン開発当時一部で注目された非電化高性能列車に再び電気式ガスタービンハイブリッドシステムが使われるのではと期待してしまいます。 さらにより有力な地上での応用先として、1000kW前後の動力を必要とする戦闘車両です。M1戦車のページでも書きましたが、アメリカ陸軍が次世代ガスタービンの試作までこぎつけながら採用を断念、それでもディーゼルへの切り替えは否定、いつまでもAGT1500を使い続けています。これはやはり次期主力戦車の動力としてガスタービンハイブリッドシステムを計画しているのではと再び考えてしまいます。 進まない高効率化 やはり燃費がガスタービンに常に付きまとう問題です。それでも耐熱材料の進歩で大型航空用では昨年IHIがXFP-9というタービン入口温度1800℃という世界最高水準の戦闘機用試作機を発表し注目されました。また、大型発電用では1700℃級の実用化へと進もうとしています。
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