キハ381系はつかり

車両

 まず車両の設計です。原作は読んでいないのですべてアニメからの情報を基に遊ぶこととします。アニメ内では出力12000馬力という表現以外に技術的な内容は語られていません。外見では先頭はキハ81ですが客室スペースはなく、車端の乗降ドアから乗務員室の間は機械室となっています。中間車両は381系電車らしい姿に描かれています。1970年代後半ごろ、技術系の専門誌に掲載された論文に381系の電動車を間に挟んで両端にキハ391搭載のIM-100-IRを2機ずつ搭載した電源車を配した列車の試案があります。構成はよく似ていますが、論文の列車は出力設定が4400馬力、設計速度も当時は国鉄末期のため伯備線用を想定したとはいえ110km/hという消極的なもので、この奇想天外はお話に登場するハイパワーガスタービン列車とは対比になりません。
 そこでアニメにある12000馬力でどうなるかですが、

まさか1両が12000馬力ではないでしょうから一応6000馬力電源車を両端に配し中央6両がすべて電動車というあたりで考えてみます。6000馬力のガスタービン電源車なら初代TGV同様に低速発電機を減速歯車を介して駆動する方式でも現実的ですが、問題は中間の電動車です。
 アニメでは6両ですから効率を考えても1両あたりなんと1500馬力の以上の電動車が必要です。これはN700系に迫る出力です。いくらなんでもN700クラスの列車を在来線に入れるわけには行きません。アニメ内での解説ではこの車両は波動輸送に急遽当てられたとのこと、それなら本来の営業編成は12両の中間電動車を挟み両端に6000馬力の電源車2両を配していたと想定してもよいでしょう。これなら1両800馬力程度の電動車となり、現代の交流電動機技術に頼らず直流直巻電動機でも狭軌在来線車両として現実味を帯びてきます。ただし編成は12M2Tですが・・・

仮想車両設計

 ノッチマンミニの仮想車両設計でガスタービン電源車方式を選択し下のように設定します。

エンジン出力12000馬力を指定すると電源車は自動的に2両構成になり12M2Tと上記の仮定に合います。起動引張力は電気式の特徴を活かして強化できますが、特急運用のため160%にとどめておきます。


編成重量は487.2トンと表示されています。積車重量ですから381系の電動車よりもかなり軽量になっています。ノッチマンミニには直流直巻電動機駆動の電車設定ができないため仕方ありません。
次の図が加速力曲線です。

過電流起動のため起動加速力はかなり高加速の通勤電車並となります。さらに通勤電車とは異なり高速域の100km/hから加速しても軽い加速感を体感できるほど強力です。

 ではこの車両を使ってアニメに登場した青森発上り「はつかり」の運転曲線を作りましょう。

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