“もしも”を楽しむ

 福島原発事故後、ガスタービンがにわかに注目されるようになりました。 しかしそれは高効率の複合発電設備であり、非常用あるいは不安定な自然エネルギー発電を補完平準化する電源といった、車両用とは無縁な領域です。

 石油枯渇、炭酸ガスによる温暖化が長く叫ばれ、ディーゼルの性能向上、排気ガス対策もかなり進み、地上、海上輸送にガスタービンが進出できる可能性は殆ど無いままです。 一方、技術革新により化石燃料の枯渇は相変わらず先延ばし状態、京都議定書以降、大気中炭酸ガス濃度が増加しているにもかかわらず都市部を除いた地域の大気温度の上昇はみられず、温暖化利権の拡大やデータ捏造事件以降、IPCCの主張に対する懐疑論が勢いづいています。
こうした環境変化の中、シェール革命は世界のエネルギー事情に変革をもたらす可能性が出てきており、天然ガス燃焼で優位性を持つガスタービンにとってはまたとないチャンスとなっています。
 はたしてこれがガスタービンの車両用途再進出のきっかけとなるかは不明ですが、いくつかの新たな動きが出ています。 新興国の経済発展で鉄道輸送が各地で注目され、高速鉄道や重量貨物輸送などガスタービンが利用できるかもしれないものもいくつか出てきています。 インドではロシアの世界最大の天然ガスガスタービン機関車に注目しています。 高速鉄道計画も各地にあり、経済的に電化が難しいところで中途半端なディーゼル高速列車に満足できない場合はガスタービンにチャンスが出てくる可能性もあります。

 とはいってもおいそれと実現しそうにないガスタービン列車、“もしも”の世界で楽しむことにしましょう。 おりしもこの“もしも”を楽しめるフリーソフトが登場しました。 あのノッチマンの手抜きバージョンだったスピードアップ2002が10年以上もたってようやくバージョンアップされ、ノッチマンミニというものになっており、最下位バージョンはフリーとなっています。 フリー版には実在する線路データや車両データがついていないので物足りないのは確かです。 しかし機能的には最下位の手抜きバージョンといってもエンジン好きや高速列車好きにとっては他に例のないマニアックな内容で、結構遊べる機能があります。 線路データを自動で作る機能があり、この線路上を走らせる仮想の列車を作る機能もあります。 この仮想の列車というのにきちんとガスタービン車両があり、しかも燃料消費を算出でき、部分負荷特性もかなりまじめに考慮されているようでガスタービン好きにとってはまたとないデータが得られそうです。 常時ネット接続が必要でユーザー登録、パスワード取得が必要で面倒ですが結構遊べます。 また、ガスタービンに関係なく、列車の走行性能や燃費、運転曲線に興味があるマニアにとってもかなり参考になると思います。

キハ391とM1戦車

電気式ガスタービン動車

電源車方式

ガスタービン機関車

非電化高速鉄道

キハ391改

キハ391改-電気式