動力集中方式

キハ181の延長に 

  キハ181系は運転台後方に機械室があります。あの中には走行用エンジンと発電用エンジン両者の冷却用にラジエータが納まっています。730馬力ものディーゼルエンジンを当時の技術で床下に装備したため床下擬装に余裕は無くなり、床上に配置することとなりました。181系独特の屋根上の自然冷却機では容量、重量の両面で対応できなかったからです。ガスタービン車の計画が始まったころにはこの181系をモデルとしてこの機械室に1000馬力程度のガスタービンを2台搭載した動力車が提案されました。

 給排気・消音関係の設備が大型となるため181系の機械室よりやや広いスペースを必要としますが、40名程度の客室定員を確保した設計となっていました。当時の技術でも45トン以下に抑えることは可能と思われ、非常に強力な、まさに機関車級の気動車が誕生していた可能性もあったのです。
 中間車両には電源エンジンを一部装備するのみで動力は無く、プッシュプルタイプの列車として構成され、伯備線への投入を念頭に基本編成は9両編成とされていました。

 この方式は分割併合や輸送量に応じての編成両数の自由度がありませんが、線形に応じて付随車を増減して性能面の対応ができる利点はありました。

  

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